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ついに高校三年生になってしまって、あと一年で
卒業することになる。
それまでに、せめて友達の一人でも作りたかったと
思うけどやっぱり無理みたい。
夕焼けの色が教室を染める中、机に伏せていると
ふと、誰かの足音が聞こえた。
反射的に顔を上げる。
すると、いわゆるクラスで悪目立ちしてる男子の
グループがズカズカと教室へ入ってきた。
「おっ女子発見!」
その中の一人が私の姿を確認して、ニヤニヤと
いらやしい笑みを浮かべて近づいてくる。
逃げ出そうと席を立ったけど、それを阻むように
彼は私の前に立ち塞がった。
恐くて、体が固まってしまう。
「君、いつも一人の子だよね?
名前なんだっけ?」
「………。」
決して無視をしているわけじゃない。
ただ、恐くて声が出ないだけ。
でも相手はそれを無視されていると受け取った
らしく、不機嫌そうに表情を歪めるとチッと
舌打ちした。
ビクンッと肩が跳ねる。
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