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「なにシカトしてんの?
まっいーや。」
興味なさげにポツリと呟いた彼は、いきなり
私の手首をグイッと掴む。
「今日の合コンがなくなっちゃって、俺ら
暇してたんだよね。
ちょうどいいから付き合ってよ。」
「…っ!」
まるで私の同意なんて必要ないと言った感じで
グイグイと腕を引かれた。
抵抗してみるけどもちろん力で敵うはずはなくて
ズルズルと教室から引きずり出されそう。
この人がこのグループのリーダー格なのか、他の
男子達はやっぱりニヤニヤと嫌な笑みを浮かべ
ながらこっちを見ていた。
…どうしよう。
背中にヒヤリと汗が流れてきた。
このままどこに連れて行かれるんだろう?
と言うか、私はどうなっちゃうんだろう?
誰かに助けてもらおうにも、ここには彼等しか
居ない。
「んっ…!」
あと一歩で教室から出てしまうと思った
その時───
「おい。
お前ら何やってんだよ。」
低く、まるで地を這うような威圧的な声が
聞こえたと思ったら、突然…
私の手を掴んでいたはずの男子が倒れた。
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