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日常
高層ビルが立ち並ぶ都心で私は働いている。いわゆるオフィスレディ。
今日も昼休みに会社前にある屋台村にランチを買いに行った。
「雪乃は今日何にするの?」
「昨日は食べ過ぎたんだよね。サンドイッチでいいかな。」
「珍しー。いつもハンバーグとかがっつり系なのに。」
「だから、食べ過ぎたの。」
咲とは同じ部署で働く同僚だ。ランチ時にはいつも彼女と行動を共にしている。会社での愚痴や韓国ドラマの感想を言い合ったりしている。会社に戻ると、いつものように雑談をしながら、サンドイッチを頬張っていた。
「そういえば、この前ぶら下げてたお守りは?」
「ああ。カラスのお守り?ちゃんと持ってるよ。ほら。」
「かわいいよね。どこで買ったの?」
咲はそのお守りを手に取りながら言った。
「どこだっけな。確か旅行した時に一目ぼれで買ったからな。覚えてない!」
「えー。絶対覚えているでしょ。記憶力いいんだから。」
「うーん。思い出せないんだよね。」
これは何の変哲もない日常の一場面である。
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