♯12

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♯12

『ぬうゥ……、電話を寄越せ!!』  側近へ手を差し伸べた。 『ハイ、閣下!! どうぞ!!』  側近は、うやうやしく電話を渡した。 『ゴッホン……、ンゥ、なんだ。ハニー』  威厳を保つように、軽く咳払いをして電話に出た。  サッと、勇者や愛娘のジルには背を向ける。 《あ、パパァ!! 何やってるのよ!!》  スピーカーからハニーの声が響いた。 『いや、ハニー!! ちょっと今、そのォ、地上界を征服する途中で……』   《なによ。それ!! 地上界の征服なんてつまらない事は、どうだって良いじゃないの》 『いやいや、つまらない事ッて……!!  どうだって良いワケではないだろう!!』 《そんな事より、パパァ……!!   トイレットペーパーはどうしたのよ!!》 『えェ……?! トイレットペーパー』 《そうよ。そんなつまらない地上界の征服とトイレットペーパーのどっちが、大事だと思ってるの!!》 『うゥ、それは、つまらない地上界の方が』   《もちろんトイレットペーパーよ!!  そんなの聞くまでもないわ!!》  きっぱりとハニーは断言した。 『えェ?! いやいや、でも……!!  ハニー……』 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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