♯4 地獄の底から

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♯4 地獄の底から

「さぁ、キスしてェ……」  ジルは甘えるような口調でキスを催促した。 「フッフフ、ワガママで毒舌家のお姫様だな……」  仕方なく勇者も笑顔で応じた。  ゆっくりと唇が重なり合う寸前……。 『ドッガァーーーーン!!』  まるで、爆発したようにスイートルームのドアが吹き飛んだ。 「キャァーーッ……」ジルが悲鳴を上げた。 「ぬうゥ……!!」  一斉に勇者と魔王の愛娘ジルは抱きあったまま、ドアへ視線を向けた。  ドアが壊れ、モウモウと白い爆煙が立っている。 『ヌッハハハハァァァ……』  突如、室内に地獄の底から沸き立つような不気味な笑い声が響いてきた。 「ぬゥ……!!」勇者とジルが顔をしかめ、爆煙の方を見つめた。  ゆっくりと、ひとりの影が砂煙りの中から現われてくる。 「!!」勇者の眼光が鋭くなった。  マントを翻し、魔王が姿を現れる。 『ヌッハハハァ……、勇者ジャスティン!!  我輩の愛娘ジルに手を出そうなど、百億年……、いや百兆年早いわァ〜ーー……!』 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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