ありふれた三つの橡林~その28

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ありふれた三つの橡林~その28

 9月26日(日)  晴れ  久しぶりの  青い空  秋の空  国道  行けば  秋は  身に沁みる  中原中也  だったかな  中秋の  名月  満月の  名月  休光の  名月  休耕田  にも  秋は  来る  果てしなく  天壌無窮の  広がり    なぜか  今年は  先へ  行くのの  怖ろしい  なぜだろう  きっと  とぼとぼと  引き上げて行く  老いた  夏の  敗残兵の  後ろ姿を  見たからだろう  遥かなる  翠嵐より  大地を  穿ち  流れ下る  川の  古い  石橋  今では  通る人も  稀になった  その  橋の上の  傷んだ  舗装道路を  渡って行く  あの  後ろ姿  今年も  また  なんの  手柄も  立てられないままに  夏は  過ぎ去って行く  さて  これから  先の  あてどなどない  旅の  行方に  生きて  行くことの  怖くなる  道の辺には  彼岸花  曼珠沙華とも  緋紅色の  いちしろし   15ff4662-f648-46ca-b1d9-c70f142c21c0          
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