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「あんたらばっかじゃねーの?」
塾から帰宅した僕を待ってたのは、リビングで揃って膝をつき、しょんぼりしているバカ三人。
白いお面を被ってる母親。
なんか真っ赤なペイントみたいなのを全身に施している姉。
そしてミイラのように包帯ぐるぐるになってる兄。
「誕生日プレゼントにしようって、帰ってきた父ちゃん驚かそうとして?オバケ屋敷大好きだから喜んでくれると思って待ってたら、絶叫して家を飛び出して行かれたって?……いやそりゃそうなるわ!ドッキリにしてもやりすぎだろうが!」
廊下にもリビングにも、しこたま赤い足跡やら手形やらが残っている。一体どうやって掃除するつもりだったのだ、この三バカトリオは!
「……スミマセン」
首謀者である母親、完全にがっくりと項垂れている状態。とりあえず高校生の兄はともかく、母と姉は明日も仕事があるってことを忘れてやしないか。どうするんだこれは。
「さっさと片付けろよ!つか、ビビリまくった父ちゃんが警察でも呼んだらどうする気だよ!?」
「やめてマジで笑えない」
なお。
この直後、パトカーのサイレンが聞こえてきて、ガチで全員真顔になったのはここだけの話である。
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