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遠距離な二人
僕と玉名さんの都合が合う日、丘で会う約束をした。仕事は忙しくても、休日はしっかりと週休二日制である。玉名さんも休日はしっかりとしているらしく、二人で日にちを合わせるのはそう難しくはなかった。
今日は、僕の方が早めに丘に着いた。暫く丘の上からの景色を眺めていると、少し遠くに手を振る玉名さんの姿が見えた。僕は手を振り返した。
「久しぶり!」
「久しぶり!」
久しぶりの再開に自然と笑みがこぼれる。連絡は取り合っていても会うとやっぱり嬉しいものだ。
二人で景色を堪能した後、よくここに来る経緯を話した。その経緯がとても似ていたことに驚いたし、お互い仕事が違っても共感が持てた。
「やっぱりここは、気持ちが晴れる場所だわ。私は海ばかり見ているから山や空を体中で感じたいのよね」
「僕もその気持ちわかるよ。僕は空ばかり見てるから海や山が新鮮で見てると気持ちがリセットされるんだ」
「私たちって、正反対だけどそっくりね」
と、玉名さんが笑って言った。
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