陸と海と空

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月日が流れるのはあっという間で、航空機の前で写真を撮った日から5年が経った。その時撮った写真を宇宙服であるブルースーツの胸ポケットに入れて、訓練に励み、宇宙に行って仕事をしている仲間と交信をしてサポートをする。これが今の僕の宇宙の仕事だ。 宇宙飛行士候補者となって約2年間、基礎訓練を受け、やっと宇宙飛行士として認定されても宇宙行きの切符はなかなか貰えない。 「僕は本当に宇宙へ行けるのだろうか」 訓練の休み時間に外へ出て、空に向かって大きく手を伸ばした。手のひらの指の間を飛行機が飛んでいる。僕は開いていた手を拳に変えて、胸ポケットをポンポンと打った。 僕は、休日を利用してよく行くところがある。その場所は遊ぶところでもなければ観光地でもない。少し小高い丘になっていて特に何も無いところだ。自宅からはけっこう離れているがそこへ行くと気持ちが晴れて、活力が湧いてくる。 休日の朝早く、支度をして家を出る。空港へ行き、飛行機に乗って、電車に乗り継ぎ、青い特急列車に乗って目的地へと向かう。もう、何度も来ているから車窓風景も見慣れたものだ。
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