9人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
聞き惚れて、声が詰まった。
口角を上げて笑うように歌う彼女に迷いがないのなら、その想いのままに人生を付き合うのも悪いことではない気もする。
この声を、歌を、リズムをすぐそばで聴いていられるのなら。
どこからどこまでが真実で現実かなんて、知る必要もないのかもしれない。
どこかが嘘で、何かは幻かもしれない。
これから一体どうなるのかなんて分からない。
それは若い彼女にとって不利益かもしれず、必要な経験値となるのかもしれず。
中毒性のある歌声に、すでにいつからか心奪われていたことに気づく。
彼女が何者かどうかより、彼女がどう生きているかの方が大切だ。
見て、思ったこと。
聴いて、感じたこと。
命は循環している。
彼女は大いなる自然の中に身を置いている。
彼女はその大いなる巡りの中にいつもいて、そのリズムを、音楽を愉しんでいる。
~FIN~
最初のコメントを投稿しよう!