【2】

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 それから、敦は少女の面倒を見る腹を括った。  昼はトラック、夜は敦のアパートかもしくは出先にあるモーテルで共に時を過ごした。  少女は無防備で世間知らずで、挙動は幼く隙だらけではあったが、近くでごろ寝されていても襲う気にはならなかった。それは敦がロリコンでないこともあるだろうが、なぜか少女に対しそのような感情を持つことに何某かの抵抗があったこともある。  そのうちに名前が互いにないと不便ということもあり、(敦にとってはずっと『おじさん』と呼ばれることに不満があったのもあり)敦は少女に名前を付けることにした。  敦は少女を『リズミー』と呼ぶことにした。  少女は名乗らないどころか、それまでの人生の生い立ちについて忘れているような気配すら窺える。けれどそれに対し怯えも不安もないようでもあった。  少女はよく食べ、よく眠り、よく歌った。  昼は地面に顔を付け、大地の声を  夜は空を見上げ、星の流れる音を  体内に脈動する血の流れをリズムとして体感しているのだと笑った。 「人の世はコロコロ変わるよねぇ。そのリズムは激しい。ロックみたいだ」
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