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恋に落ちた……その後(終)
ホント……
「灯弥はほんと顔は良いのにねぇ」
私もなんか灯弥の顔見ながら素直に感想を述べて……コツンと頭を突かれて、突かれたところを撫でながら振り向いた。
「俺の前でそーいうこと言わない」
「あ、蓮……」
私は一気に真っ赤になる。
もうこの顔見ただけでドキドキが止まんない。
「なによぉ! 絶対アタシの方が上よぉ!」
シクシク泣いている灯弥に菜月が「はいはい」と相手している。
「蓮さんは今日は終わりなんです?」
菜月は時計を見ながらそう尋ねた。時間は十七時を過ぎている。
「今日は早めに帰ろうと思って。瑞穗約束してだろ?」
そう言われて私はちょっと顔がにやけてしまう。
菜月が「私ばかり独り者って損よね……」と呟き立ち上がった。
「ほら、バイトあるんでしょ? 飲みに行ってあげるから行くわよ、灯弥!」
そう言うと、灯弥の首根っこを掴んで引きずっている。
「私も今度飲みに行くからー」と伝えたが……「瑞穗は大歓迎よぉ~、ソイツはいらん!」と捨て台詞を吐く。
私は「あはははは……」と笑うしかなかった。
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