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恋に落ちる
「私なんか恥ずかしいかも。そんなこと全く考えてなかった」
正直に自分の心を話す。そかそ、私はそれが本心であった。
「今から考えていったらいいんだけだよ。焦ると目測を見誤ることもある」
その言葉はなぜか心に安心感を与える。
「蓮って思っていたのとちょっと違った」
私は微笑んだ。本当だよ、こんな〝魅力的な人〟だなんて思わなかった。
それは一瞬だったのかもしれない。
私は蓮のことをもっと「知りたい」と思った。
もっと「話していた」と思った。
もっと「傍に居たい」と思った。
私に色々なものを与えてくれる。
こんな気持ちになれることが幸せだった。
星を眺めながら、食後のティータイムを楽しんでいた。蓮は缶チューハイを楽しんでいる様子。私より飲む人じゃん……。
「蓮って、私のこと『飲んだくれ』みたいに笑っていたけど、けっこう飲む人じゃん」
ちょっとムスッとして言ってみる。
「あーあの時は瑞穗が『失恋キャンプ』とか知らなかったからなぁ。あんなにアルコールドリンク出してこられたら、誰だってそー思うだろ」
缶チューハイ片手にケラケラ笑っている。もう「酔い」モードなんじゃないの? これ……。
「まぁグチりたかったら、いつでも相手してやるよ」
そう言って携帯をこちらに向ける。
「じゃあお言葉に甘えよーかなぁ」
その言葉が今の私にはとても嬉しくて……私たちは連絡先を交換した。
私たちが見える駐車場に停車して、私たちを見ている者がいるなんて……この時は全く知らなかったし、そんなことすら想像していなかった。
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