微かな希望

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 ──パリンッ!  その瞬間、扉の向こうの気配が止まった気がした。 「何の音だ?」  その音に、扉の向こう側の動きが止まる。 「先生は今日居ないはずだったけど……」  不審そうな声が扉の向こうで聞こえる。その声に私は聞き覚えがある。 「誰かいるのか?」  そう声がして、扉を開けようとガチャガチャとドアノブを回す音がした。  私は最初安堵したが、直ぐにまた絶望へと変わる。  その扉は鍵がかかっているのか、開くことは叶わない。  このまま去られては……と焦りばかりが生まれて、私は必死に声を出そうとするが身体が思うように動かないし、声も出ない。 「ん? 鍵掛かってるし気のせいか」  という声と、ドアノブを回す音が止まる音で私は更に焦る。  その時だった。  力いっぱい、体を起こそうとして机を掴んだ時、体のバランスを崩して私は机と一緒に転倒してしまった。
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