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本当に怖かった。動けない身体、浬くんの笑顔……意識が戻るとまた微睡みへ引き戻される絶望。
どうしていいのか分らず諦めも出始めていた。
それを救ってくれたのは……私の声を聴いてくれたのは誰でもない目の前の蓮である事実に対して無意識に縋っていた。
「あ! 今日は何日!」
泣きじゃくっていた私は、ふと忘れていた事実を思い出す。浬くんが婚姻届けを云々とか言っていたことが鮮明になってきて焦りが出てきていたのだ。
「え? 今日は十五日だけど……」
蓮はその質問に訳が分からず不思議そうな顔で、私を覗き込んでくる。
そんな蓮はお構いなしで、私は日にちと浬くんが言っていた現実を照合していた。
浬くんのところへ行ったのは十三日の夕方だった……はず。
「ねぇ、浬くんは昨日今日の予定知ってる!?」
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