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浬くんは……
「え? 瑞穗に私たちからも聞こうと思っていたなんだけど……知らなかったの? センセはアメリカへ行っちゃったわよ」
菜月が意外だという感じで私を見ている。そして灯弥も私を覗き込んだ。
「ホント急よねぇ~! なんか向こうのプロジェクトに急遽空きができて抜擢されたとかで。栄転だと思うけど、瑞穗のことどーするのかしら? って思ってたのよぉ」
二人は不思議そうに私を見ている。
その前に私にとっては、全てが新しいネタである。
「何それ……どうなっているの……」
もうその言葉しか出てこなかった。
三人の間によくわからない違和感が流れる。
それを打破してくれたのは蓮の存在だった。
蓮が「はいるぞー」といって入室する。
灯弥と蓮の目が合ったのか、なんか無言で場の雰囲気が凍り付く。
そんな空気を察してくれたのか、菜月が嫌そうな顔をしていた灯弥を引っ張り、「今日は帰るねー」とそそくさと出て行った。
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