想いの淵へ

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想いの淵へ

 あの初めて会ったときの失態は、私が原因だけど、蓮も乗じていたってこと? 私……うぬぼれていいんだろうか。 「私……うぬぼれていいの?」  あれ? 言葉になって出てしまった……。  急にその事実に気づいて真っ赤になってしまう。恥ずかしい! これはかなり恥ずかしい!  蓮はちょっとビックリした表情をしていたが、優しい表情で私の頬を撫でる。 「いいよ、うぬぼれて。瑞穗の気持ち聞かせて」 「私は……蓮の将来を語るその表情が、瞳に魅入られて……蓮に『落ちた』んだと思う」  私は正直に答えた。そう私は恋愛という世界に落ちたんだと。私は蓮との『世界』に入って行く。そんな感覚を今感じていた。
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