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蓮の瞳が私を絡め捕る。私たちの唇が重なり合り、私は蓮の存在をその温もりで明確にした。
それは優しくも甘美な口づけだった。蓮の想いが一気に伝わってくる。
私はその唇から絡め捕られる舌に感覚を委ねその熱を欲してしまった。
私の熱い吐息と共に、蓮の唇が私から離れる。
私はその快楽に放心状態になってしまっていた。
「そんな目で見られたら、俺止まんなくなる……」
微笑みながらそう言うと、私を抱きしめ耳元で囁いた。
「好きだ……瑞穗」
私は何も返さず、ただコクンっと頷いた。
私はこれから更に落ちていくのだろう。この甘美で幸せな世界に……。
私は蓮と額をコツンと合わせると、二人して微笑んでしまった。
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