再開

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再開

「きみは確か」  爽やかイケメン! 「あれぇ~小鳥遊くんもキャンプとは言ってたけど、瑞穗……コイツがあの?」  爽やかイケメンはビックリしたかのように、浬くんを見る。 「先生、この人は?」  先にお隣さんが質問を投げかけた。 「この子は、彷徨瑞穗さん。ここの大学3年生。これでも家がご近所さんでね。で、こちらが大学院生で僕の助手もやってくれている小鳥遊蓮(たかなしれん)くん」 「この前はご迷惑をおかけしました! 彷徨瑞穗です!」  私は咄嗟に立ち上がって頭を下げる。小鳥遊さんはにっこり微笑むと「こちらこそ、お世話になりました」と言ってクスッと笑っていた。  なんかちょっとこの人、失礼かも……。  私がムスッとしているのを見て、なんか浬くん嬉しそうな? 表情をしている気がした。  携帯にメッセージが入って、それが灯弥だとわかり携帯をカバンの中に仕舞った。今日は灯弥と一緒に菜月のレース観戦の予定なのである。  菜月はほんとにカッコイイというか凄い! というか。レースがあると参戦していて、私たちはその時は必ず応援に行っていた。 「今日は菜月ちゃんのレースかい?」 「うん! 浬くんも今度一緒に行こうよー!」  私はウキウキしていたので、そのノリで浬くんも誘う。これでもたまに一緒に菜月の観戦に行ったりしていた。  菜月はモータースポース女子である。親が走り屋さんというかクルマ好きのせいで……家にもそんな車が何台かあるし、某マンガのように気が付いたら、菜月もそんな感じに速く走れるようになっていた。彼女も走ることは嫌いではない。  主にF1っぽい周回レースだが、直線レースのドラックレースもたまに出ている。夜中にこっそり峠や最高速も走っているのは秘密にしておこう。  私も乗せてもらったが……あれはジェットコースターのような重力のかかり方で、絶叫系が苦手な私は失神しそうになった記憶がある。それ以来、応援に徹していた。  灯弥はおネェでもさすが男の子。たまに菜月の車に乗っては良い感じに走っているのを知っている。でも「ちょっと感覚を楽しむ」程度のようだった。  私は……ムリムリ! 大体免許がAT限定だもん。MTは走れないの決定! 私はキャンプ行くのもあるから、家のSUVが気に入っているしね。 「失礼しますぅ~、瑞穗いますぅ~?」  浬くんの部屋まで灯弥は迎えに来てくれた。  入室した時に灯弥が一瞬立ち止まっていたのは……たぶん、浬くんの部屋の人口密度が一人多かったからだろう。 「今日はごめんねー朝霧くんにお守り頼んじゃって」  浬くんは苦笑しながら灯弥を招き入れた。 「大丈夫ですぅ~いつものことですしぃ。ねーっ」  浬くんに灯弥がにっこり微笑む。 「ごめんねーいつも乗せてもらって」  私は灯弥にペコリと謝る。彼はいつも出掛ける時は車を出してくれるのだ。私がたまに「クルマ出すよー」って言っても「えぇーっ! 瑞穗の運転怖そうだからぁ~アタシにま・か・せ・て」とウインクされて、それ以来はお世話になっている。  そんなに運転怖いかしら……私。  うーん、と考えていると、灯弥が時計見て「遅れるわよぉ」と私を突く。私は部屋で資料整理している小鳥遊さんに一礼すると、浬くんに「バイバイ」をして、灯弥と部屋を後にした。
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