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冷たい風が、頬を撫でる。
それを感じながら、足を空中に踏み入れよいとした時だった。
ポツリ、ポツリと、頬に何かが当たった。
その刹那、その液体は、一気に私に落ちてきた。
雨だった。思わず足を元の場所に戻して、空を仰ぐ。
空はさっきみたときと変わらず明るいままだった。
なのに、私はどんどん濡れていく。
しばらくして雨は上がった。
もう一度気合いを入れ直したとき、私の目の前を何かが遮った。
赤、オレンジ、黄、緑、水色、青、紫。
7色の光が瞬く間に空に架かったのだ。
その時、思わず涙した。なぜか、なんてわからない。
ただ、涙が零れたのだ。
でもなぜか飛び降りる気になんて慣れなくて、その後大人しく家へ帰った。
それから、時は過ぎて私は大人になった。
私はあの後、何事も無かったかのように、1人で学校生活を過ごし、たくさんの傷を負いながらも卒業した。
それから、大人になって、彼に出会った。
彼はとても優しくて素直で一途でだれよりも曲がったことが嫌いな人だった。
彼に一目惚れされ最初は、断っていたものの、彼のことを知っていくうちに、心をいつの間にか許していた。そして、交際して、今では大切な宝物もお腹に宿っている。
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