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2章 太陽
「あっ……ポスターの人……」
顔を間近で見て気付いた。この子は、今眺めていたバスケ部のポスターに写っていた男の子だ。
「そう! これ、おれ! で、バスケ部のマネージャーが三年生なんだけどさ、引き継いでもらえる人がいなくて……前から探してたんだけど、どう? マネージャーなら今からでも入れるよ!」
その笑顔はクリスマスプレゼントを目の前にした子供のようで、純粋無垢そのものだった。太陽みたいな笑顔だな、と思う。
「これからちょうど他校と練習試合あるんだ! よかったら、見にこない?」
キラキラした笑顔に押され、私は考えた。
(マネージャー、か。自分がスポーツをするわけじゃない。悔しくてみじめな思いもしない。それに、バスケだし。やってみてもいいかも……)
「じゃあ、見に行っ」
見に行ってみようかな、と言いかけると、勢いよく手を握られた。体は小さいけれども手は私より一回り大きく、男の子らしくゴツゴツとしていて、ドキッとする。
「ありがとう! おれ、一年三組の飛鷹颯太。よろしく!」
「私は二組の鶴見……よろしくね」
そして私は、図書室の本を返したあと、飛鷹くんと一緒に体育館に向かった。
先程握られた手が、熱くなっていた。
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