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4章 マネージャー
試合が終わると、先輩と手分けをして汗だくの部員たちにタオルを渡して回った。ふぅと息をつく飛鷹くんに話しかける。
「飛鷹くん、すごいね。私あんまりバスケは詳しくないけど、こんなの初めて見た……」
「小さいのに、でしょ?」
男の子だし、小さいと言っては気にしてしまうかなと思って触れなかったのだが、思っていることはバレてしまっていた。
「大丈夫、チビは先輩にもよく言われる。でもバスケ好きだからさ! なるべくボール触ってたいんだよね! 他の部分で稼ごうと思って。あ、あと身長はこれから伸びるから」
最後の一言に、ここが重要ですと言わんばかりに力を込めていたのがおかしくて、ついふふっと笑ってしまう。
(なるべくボールを触っていたい……わかる)
「あの、それで、マネージャー……やってくれる……?」
子犬のような顔で尋ねられ、内心ドキッとするが、なんとか隠して答えた。
「うん、ぜひ!」
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