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ギュッとまぶたを閉じたまま、波ゆく快感と痛みを交互に実感する。
可愛げもない、無意識に漏れ出る声を必死に我慢して……
ただ、ひたすらに忘れた愛を受け入れる。
「んっ……ふ…ぁ…ッ、」
「っはぁっ、夏希…ッ、夏希…ちゃんと瞳開けて…っ」
輝冬に言われるがまま、そっと瞳を開けて、輝冬の顔を映し出す。
(あぁ…、そんな顔…見れるなんて思ってもみなかった…)
熱に浮かされ、ままならない思考の片隅でぼんやりとそんなことを考える。
そんな、俺が好きだと言ってる表情。
この先ずっと、もう訪れないと思っていた。
「んぁっ…あ…ゃ…ッ…っ、もっ…ダメッ…!」
じわじわと這い上がる熱い感覚。
激しく律動する輝冬の身体。
さんざんイかされた身体はもうぐちゃぐちゃで、快感に支配された思考は、意識を手放しそうになる。
ギュッと身体を密着させながら、抱き込まれてイかされる。
ビクビクっと全身が震え、いまだ残る快楽の波に生理的な滴が両頬を伝う。
溢れた滴を静かに掬い上げる輝冬。
「……ごめん、欲望のまま抱いた」
「別に…、慣れてる…」
思わずそうやって呟いてしまったけど、慣れてるって言い方は、少し可笑しい。
ちゃんと言うなら、"思い出した"だ。
輝冬に背を向けながら、疲れ切った身体を、思う存分ベッドに身を沈める。
時々、サラッと俺の髪を撫でていく綺麗な指先は、懐かしい輝冬の癖だ。
(あぁ…、もう……まふだが重い…)
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