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触れるだけのキスを繰り返して少しづつ舌を絡めていくと、俺の服を掴んだ手が少し震えている。
「んっ……」
「……震えてる」
「これは……その、武者震いみたいなものだから大丈夫」
武者震いという言葉に少し笑ってしまう。
「本当に無理だけはしないで」
美来の表情を見ていると今ここで止める方が逆効果な気がして、それだけ念を押してもう一度キスをする。そのまま顔中に唇で触れて耳元に移動すると、小さな吐息が漏れ聞こえてきた。もう一度耳元にキスをすると、今度はピクッと震えている。
……くすぐったいって感じでは無さそうだから、耳が弱いのかもしれない。
「んっ……何でそこばっかりするの……っ」
「美来の反応が可愛いから」
きっと反応してくれる所にいっぱい触れてあげないと先に進めない。男は別に痛みとか感じないだろうけど、彼女の場合は違う。
「……体、触っても大丈夫?」
もっと反応してくれるところを探したくて聞くと、恥ずかしいのか目を瞑って小さく何度も頷いている。
服の上からゆっくりと触れると、抱き締めた時に何となく感じていた感触を掌に感じて、その柔らかさに直接触れてみたくなった。
「服の中、手入れるよ?」
目は閉じたままだけど、ちゃんと頷いてくれる。
服の中の柔らかくて肌触りがいいお腹を通ると、俺の手に丁度収まる大きさの胸に辿り着いた。でもそこはまだ隠されている。
「……これ、どうやったら外れるの?」
「え?……あ、えっと……」
「ごめん。ちょっと格好悪いけど、美来が外してくれると嬉しい……」
何となく情けない気がしていると、小さな笑い声が聞こえてきた。
「……慣れてる方が嫌だよ?」
「あ……それもそうか」
初めてで外せるほうが変だよな。
1人で納得していると、いつのまにか彼女が布団を被ってこそっと外している事に気付いて、俺も一緒に布団の中に潜り込む。背中を向けているのを後ろから抱きしめながら隔てる物がなくなった胸に直接触れると、美来の体が少し跳ねた。
「柔らかい」
「ん……」
項の辺りにキスをしながら、邪魔になってきた服を脱がせていく。残ったのが下半身の下着だけになると、美来が真っ赤な顔で後ろを振り向いた。
「私だけは恥ずかしい……」
「分かった。俺も脱ぐね」
サッと服を脱いでもう一度布団に潜り込む。さっきと同じように背後から抱きしめると、今度はお互いの体温を直接感じる。
好きな人と素肌で抱き合うのって気持ちいいんだな……
「温かい……」
「暑くない?」
「うん。丁度いいよ」
「俺も。好きな人の体温ってこんなに気持ちいいんだな」
「うん……」
抱き締めたまま背中にスリスリと頬ずりすると、美来が背中を反らそうと身動ぎし始めた。
もしかして……背中も弱いのか?
「あ……!」
確かめるように背中を撫でると、耐えきれなかったのか少し大きめの声が聞こえてくる。
「可愛い……」
背中にキスを何度もしながら、手を下に滑らせていくと足に力が入る。
「美来、力抜いて。こっちちゃんとしないと辛いの美来だから」
「そう、なんだけど……」
「痛くしたくないんだ」
「……うん」
硬く閉じていた足から力が抜けて、手が自由に動かせるようになる。
「ありがとう」
一番大事な所に触れると、ちゃんと反応はしてくれているようでホッとした。でもきっとまだ無理だから、美来の弱い場所に触れながら少しずつ少しずつ解していく。
「大丈夫?変な感じとか痛いとかない?」
「んっ……だいじょう、ぶ……っ」
どれぐらいすれば大丈夫なんだろう。ある程度の予備知識はあっても実際を知らないだけに分からない。
「隆司君……あっ……もう、大丈夫だからっ……」
「え、でも……」
本当に大丈夫なのか確認したくて顔を覗き込むと、呼吸が荒い美来が少し虚ろな表情で頷いた。
「……じゃあ、準備するから少し待ってて」
荷物の中から例の箱を取り出して1つだけ開封する。
本当にこれを使うんだと思うと、緊張して装着するのに手間取ってしまった。
「……いくよ?」
「うん……」
視線を合わせたままゆっくり彼女の中に入ろうとするけど、力んでいるのもあって結構な狭さに躊躇する。
「美来、本当に大丈夫?」
「大丈夫……っ」
「何回か深呼吸してみて。少しは力が抜けるかもしれないから」
一緒に深呼吸していると、少しずつ力が抜けていくのを感じる。それに合わせて俺も少しずつ奥に進んでいく。
「んん……っ!」
「っ……はあ……ごめん、最後痛かったよね」
「……ううん、隆司君だから大丈夫……」
少し涙が浮かんでいるのを見て心が痛んだけど、同じぐらい1つになれた喜びを感じる。
「……美来、好きだよ。誰よりも……美来の事しか考えられないぐらい大好き。だから絶対俺から離れないで。俺の事だけ見てて」
「う、ん……っ」
正面からぎゅうっと抱きしめて、ゆっくりゆっくり美来を感じるように動き始める。
まだきっと俺とは違って気持ちいいよりも痛いはずだから、少しでも痛みを与えたくなくて暴走しないように理性を総動員しているのに、それでも段々抑えが効かなくなってくる。
「んっ……ふ……」
「美来……好き……」
「隆司く……んあっ……」
「美来……美来……っ」
限界が来て美来を強く抱きしめると、抑えきれない声を上げながら抱きしめ返してくれる。
お互いの体温の心地よさを感じながら、2人でしばらく荒い呼吸を繰り返していた。
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