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星には興味はなかった。
知識もなかったし、空も知らないし、くだらない勉強しかしてこなかったから。
オリオン座がどこにあるのかもわからない程度の知識で。
興味がある。何て言ってしまったことを後悔しているころには、もうすでに彼女の手のひらの中。
「西、星をみよう!」
それから毎日。
クラスごとにホームルームにかかる時間も違うような中、決まっていつも彼女はタイミングよく僕のクラスに表れる。
「・・・・西!」
そそくさと影を薄くして、こっそり出ていこうとしてもダメ。
「じゃあ、塾に行く時間まで!」
予定があるふりをしても。
「もちろん、天気予報は確認済み!今日は良く星が見える日だよ」
天気予報は誤報に出来ず。
何度も断れない僕は、いつしか君が迎えにくることが当たり前になって。
あんなに興味がなかった星に向き合う日々が。
いつしか僕の中心になっていく。
「西!今日は見える!これは逃せないよ!」
嬉しそうに笑う君に。
「楽しみだね」
心地よさを感じてしまうには、そう時間はかからなかった。
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