6. ともちゃん

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この私が!いつもともちゃん以外とは話せなくって人付き合いも苦手で、ろくに遊んだこともない私が! きっと誰かの穴埋めに呼ばれたんだろうと容易に想像はつくけれど、幾分初めての出来事に驚きが隠せずにいた。 たまらず、昼休みにともちゃんといつも過ごす図書館で小さな声で相談すると、ともちゃんは一瞬だけ驚いたけれどすぐに嬉しそうな顔をして勧めてきた。 「楽しいよ!きっと!」 「無理だよ。私ともちゃん以外の子と話せる気がしないもん」 「大丈夫、みーちゃんはとてもいい子だもの。すぐ友達出来るよ?」 そんな風にともちゃんは私にオススメするので、もしかしてともちゃんはあまり私といるのが面倒臭くなってしまったんじゃ…とその顔を覗きみれば、一瞬だけ、ほんの一瞬。 彼女は悲しげな顔をしていた。 その意味がわからずに私は困惑したまま、ともちゃんを悲しませてるのが何かもわからないまま、このままじゃいけない気がして。 「…い、行くよ!私!」 乗り気じゃない、放課後の遊びに臨むことにした。 その後、少し緊張気味な私にとってはあまり嬉しくないほど時間が過ぎるのは早くて。 少し不安げなともちゃんと別れた後、神妙な赴きで待ち合わせ場所の運動場へ向かった。 そこにはクラスの殆どの女子が集まっている。 ああ、埋め合わせっていうか。クラスの一員だから呼ばれたのか、人数が多くてよかった、これで目立たずに済む。 ホッと胸をなで下ろしながら、どこかこの話を受けずにともちゃんと帰ればよかったと思ったのと。なぜ私より友達の多いともちゃんが誘われなかったのかを不思議に思いながら、誘う時に話しかけてくれた学級委員の三好さんを探す。 すると、集団で固まっていたクラスの子達が私を見つけた途端驚いた顔をして、すぐに不満げな顔に変わる。 私はいつもの居心地の悪さを感じた。
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