第五章『ウェルカムマザー』

10/11
前へ
/90ページ
次へ
 ふうっと息を吐く朱里。 「早く上級悪魔になって呪力を手に入れて、私はこの束縛から解放されたいのですよ」  それから、僕の方を見た。 「まあ、あなたのような下級な魂を食べたところで、身になるほどでは無いのですが…」 「なにそれ」 「事実ですから」  それから、朱里は悪魔っぽくにやっと笑った。 「気にする必要はありません。私は悪魔ですから、殺人でもなんでも願ってください。そして、その魂を私に捧げてください」 「はいはい」  僕は頷いた。 「お前も、何かと大変なんだな」 「柏木さんには敵いませんが」
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加