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「鉄平?」 『鉄平は……ふふ。いづれわかるよ。お友達なんだ』 まだメンバーが居るのかと思うと、半ばうんざりした。 急に薄暗いビルに連れて来られたかと思えば、お友達紹介…… 『ううん、急にじゃない。本当は前からこうしたかったんだ。 気付かなかった? 実は彼、ずーっと、昔から居たんだよ。そして、君が生れたときには監視も、後見人も、決定づけられていた。命令が発動したのが今日だっただけでね』 「え……」 ずっと昔から……? そんな、そんな事が? それは、知らなかった。 『だから、君に隠れる場所も逃げる場所も、何も無い。常にすべて包み隠さず監視下に置かせてもらう』 モニターに勝手に文字を表示される。 ・シェルターの場所も送ってある ・彼がシェルターを見つけやすいように総力をあげる。衛星も持って居る。 ・逃げれば逃げるだけ、全モニターに表示され、直接全国に放送される。 「ちょ、っと待って、シェルターって」 『そう、この場所も虐待日記も加害者に直接送っておいてある。鉄平だって、その為に作ったんだ』  酷い。現代にあるまじき、異常なルール。 此処でぼくが発狂していたとしても、不思議じゃないだろう。 ――――要するにぼくは、ぼくになることすら許されない、と言う事らしい。
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