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だから、ぼくは今居る景色に視線を移してみた。
「屋敷の中、か」
景色を、脳内に刻もうとしてみた。
……ぼくは生まれつき『いくつかの症状』を抱えている。
その一つが自分の自伝的記憶を忘れる事が極端に苦手であるという超記憶症候群。
あるいは、あのときの佳ノ宮まつりと同じように、ギフテッドと呼ばれたもの。
――――その脳が、この場所に来てなんだか騒いでいる。
厨二的な意味でも無く、そう、なんていうか。
(知っている、ような……)
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