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ベッドに入ったってすぐに寝れるもんじゃない。目はぱっちり開いたまま。
「お兄ちゃん、起きてる?」
「……」
お兄ちゃんはもう寝ちゃったのかなあ。
何だか急に心細くなる。
薄暗い部屋で二段ベッドの下から上の段を眺めていたら、そこにぽっかりと真っ暗な穴が開いた。
そして中から何かが飛び出した。
え? 何?
そいつはくるっと宙返りして、僕の横にストンと立った。
「呼んだかい?」
そいつは言った。
真っ赤なパンツにサングラス。
「イカすだろ?」
「う、うさぎ?!」
びっくりして飛び起きて、僕は二段ベッドの上の段にしこたま頭をぶっつけた。
さっきあったはずの穴はどこにもない。
かわりにいるのは、真っ赤なパンツにサングラスをかけた、うさぎ。
二本足で僕の横に立っている。
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