七つのお部屋

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 ベッドに入ったってすぐに寝れるもんじゃない。目はぱっちり開いたまま。 「お兄ちゃん、起きてる?」 「……」  お兄ちゃんはもう寝ちゃったのかなあ。  何だか急に心細くなる。  薄暗い部屋で二段ベッドの下から上の段を眺めていたら、そこにぽっかりと真っ暗な穴が開いた。  そして中から何かが飛び出した。  え? 何?   そいつはくるっと宙返りして、僕の横にストンと立った。 「呼んだかい?」  そいつは言った。  真っ赤なパンツにサングラス。 「イカすだろ?」 「う、うさぎ?!」  びっくりして飛び起きて、僕は二段ベッドの上の段にしこたま頭をぶっつけた。  さっきあったはずの穴はどこにもない。  かわりにいるのは、真っ赤なパンツにサングラスをかけた、うさぎ。  二本足で僕の横に立っている。
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