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僕は真っ暗な穴の中にいた。きっと、さっきうさぎが飛び出して来た二段ベッドの穴だ。
目が慣れてくると、ぼんやりとまわりの様子が見えてくる。
そこは濃紺の世界だった。濃い深い、青色。真ん中にすうっと空色の道が続いている。
いつの間にか、僕はその道を歩いていた。うさぎが前を進んでる。
しばらく歩いたらうさぎが立ち止まった。
ぼくも続いて立ち止まる。
そこは円い広場になっていた。広場の周りにぐるりと扉が並んでいる。
1、2、3……7つもあるよ。
うさぎが急に振り向いた。
腰に手を当てて、偉そうに立っている。そして指を一本、ピンと立てた。
「いいかい、俺は今から君の願いを一つ叶えてやる」
「えっ? ほんと?!」
僕は身を乗り出した。
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