半月後

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「ん………」 ボロいアパートのクセに、インターフォンの音だけはやけによく響く。 気持ちよく眠っていた由香だけど、その耳に通る音にぼんやりと目を覚ましたようだ。 「陸…誰か来ちゃった?」 ムクっと上体を起こした由香の身体から、掛け布団が滑り落ちて由香の素肌を露わにした。 はいはい、さっきまでしてましたよっと。 今日は昼間のバイトだけシフトを入れないで、由香の為に時間を取ったんだ。 寂しさを紛らす為に、お揃いのストラップを買って来たなんて。 彼女としては重傷だろ! だからさ、オレからも何かプレゼントしようと思って一緒にデートがてら出掛けようかと思ってさ。 だけど、ちょっと先に部屋で過ごしてたら、もうそんな空気になってな。 まぁ何やかんやで、今に至るって奴だ。
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