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「ん………」
ボロいアパートのクセに、インターフォンの音だけはやけによく響く。
気持ちよく眠っていた由香だけど、その耳に通る音にぼんやりと目を覚ましたようだ。
「陸…誰か来ちゃった?」
ムクっと上体を起こした由香の身体から、掛け布団が滑り落ちて由香の素肌を露わにした。
はいはい、さっきまでしてましたよっと。
今日は昼間のバイトだけシフトを入れないで、由香の為に時間を取ったんだ。
寂しさを紛らす為に、お揃いのストラップを買って来たなんて。
彼女としては重傷だろ!
だからさ、オレからも何かプレゼントしようと思って一緒にデートがてら出掛けようかと思ってさ。
だけど、ちょっと先に部屋で過ごしてたら、もうそんな空気になってな。
まぁ何やかんやで、今に至るって奴だ。
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