30人が本棚に入れています
本棚に追加
オレは衝動に身を任せるように、テーブルでホットココアを飲む由香の腕を引いて立たせようとした。
「ちょっ、陸!
あたしまだこれ1杯目だよっ
ドリンクバーなんだからさぁ…っ」
「イイじゃんイイじゃん、それくらい。
売り上げに貢献、ありがとなっ」
「んもぉ、陸ったらぁ」
レジで会計をする由香の側に立って待っていると、バイト仲間の木原がオレにチャチャを入れてきた。
多分歳もオレと近いので、話しやすいんだよな。
「いーな陸は、こんなかわいい彼女がいてさ。
つーか、ドリンクバー代くらい出してやれよ」
「あ、大丈夫ですっ
陸は自分の生活費だけでいっぱいいっぱいなんだから、あたしのドリンク代くらい自分で払います」
そう言ってドリンクバー代の280円を支払った由香。
「そういう事」
「信じらんねぇな。
由香ちゃん、陸なんかやめて俺にしてもいいんだぜ?」
「オイオイ、彼氏を目の前にして堂々と変な誘惑しねぇの」
「あはは…」
最初のコメントを投稿しよう!