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「わぁ、寒いっ」
由香と店を出ると、駐輪場に置いたチャリに乗って2人並んでアパートまでの夜道を走った。
この辺りは、道をそれたら田んぼなんかもある、めっちゃ田舎町。
だから人通りも殆どなく、結局オレのボロいアパートにたどり着くまでには、寒さに震えた野良犬1匹くらいしかすれ違う事もなかったぐらいだ。
チカチカ玉の切れかかったアパートの外灯を頼りにカバンからカギを取り出すと、それをドアの鍵穴に突っ込んでひねる。
カチッと鳴ったのを確認すると、オレはドアを開けた。
「さぁ入って」
「うん、おじゃましまーす」
由香を中に通すと、すぐにオレはドアを閉めてカチリとカギをかけた。
…よし。
これで明日の午前中までは、オレと由香2人だけの世界だ。
誰にも邪魔させないぞ!
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