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水面に映る、仲間の姿を見ていた。
黄色くふわりと舞う光の中に、温かな明かりが灯る。
僕の周りを、出会った皆が
集まってふわりと飛んだ。
滲む目で眺めていた。
懐かしみ、歌を歌う。
せめて、
僕の心にも光は灯っているだろうか?
風に乗せ、水面に向かい歌を歌った。
やがて、
気がつくと、隣にふわりと風が吹いた。
甘い水草の匂い。
そして、静かに彼女が横に座った。
「歌ってよ。でないとどこにいるか分からないじゃない」
彼女は泣きながら、怒っていた。
「……」
「探したんだから」
「……」
「ずっと、探したんだから」
「うん」
「私もここにいる」
「うん」
「あなたの輝きは、他の人にはないんだから」
「うん」
僕は静かに歌を歌った。
優しい歌が明かりを灯す。
そんな明かりの中で、
彼女と一緒に、光舞う水面を眺めていた。
寄り添いながら一緒に。ずっと。
……ずっと。ずっと。
Fin
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