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少女はまだ死んでいない。
拷問をはじめて四時間あまり。
何度目かの失神から目ざめ、うつろな目を向けてくる。
ベッドに、皮のベルトと鎖で、大の字の形に身体を拘束してある。学校の制服である、白いブラウスも、チェックのプリーツスカートも、いまは汗と血と失禁した排泄物でべとべとに汚れ、異臭をはなっている。
少女の目の前に、包丁を差しだす。
これから首を切り裂くことを伝える。
少女は悲しげに顔をゆがめ、イヤイヤをする。
ガムテープでふさがれた口からは、もはや「ふがふが」という抗議の声さえもあがらない。
ただ、その黒い目だけが、饒舌に感情をつたえてくる。
殺される恐怖。やはり助けてもらえないのか、という絶望。あきらめ。そして、ようやく死ねるのだ、という安堵もいくらか混じっている。
そんな目を見るのは、なんとも楽しい。
至福のひととき。
包丁をふりあげ、白いのどを切り裂く。
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