今から子猫の話をします

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「僕たちが誰かを可哀想だと思っていいのは、その誰かの気持ちを知って、初めてそう思っていいんだ。決して見た目や状況で判断してはいけない。僕たちが誰かに同情するにはまず、コミュニケーションをとること。これが大事」  だと僕は思っているよ、とエレン先生は付け足した。 「全く同じ状況に追いやられても、その人生を楽しむ者もいれば嘆く者もいる。現にパラリンピックに出ている人々なんて、輝かしい人生じゃないか。挫折もたっぷり味わっているだろうけど、彼らは前を向き続けた。そんな彼らの人生を可哀想だなんて言っちゃいけない。物語に出てくる女の子の反省点はね、勝手に子猫を可哀想だと決めつけたことなんだ。子猫は可哀想なんかじゃなかった。ただお母さんを探していただけ。それに気付けなかったから、結局女の子の行動で、子猫が悲しい思いをしてしまったんだね」  
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