今から子猫の話をします

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「ハッピーエンドだと思う人」  皆、下を向いていた。誰の手も挙がらない。 「それじゃあ、バッドエンドだと思う人」  一斉に挙がる手。 「オーケー、おろして」  俯く皆に、エレン先生はヘイヘイヘイと活を入れる。 「ちょっとみんな、顔を上げてよっ。もしかして僕、おばけになっちゃった!?だから誰とも目が合わないの!?」  体をぺたぺた触るエレン先生に、皆の顔が綻んでいく。 「香織(かおり)?」  手前の児童の名前を呼ぶ。 「なんですか」 「僕の声、聞こえる?」 「聞こえますよ」 「よかった、僕生きてるんだね」  皆が笑った。  
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