呪い殺され前夜

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 そのとき、部屋全体がぱっと明るくなった。山の陰に隠れていた朝日が顔を出したのだろう、その瞬間、白いもやはふっと消え、代わりにぱらぱらと地面に小さい粒状のなにかが散らばった。歩み寄ってひとつを拾い上げてみると、それは米だった。奴の正体はよくわからなかったが、炊飯器のバグで高温炊きされて蒸発した米の幽霊か何かだろう。  その日の昼、様子を見に来た坊主の手によって俺は部屋から解放された。転がったままの怨霊を見て呆然としていた坊主の表情を俺は忘れることはないだろう。帰宅した俺は退職届を書き、その後会社へ向かった。  明日は新しい仕事を探しに、職業安定所にでも行こう。怨霊バトルロワイヤル専門の実況者でも募集していてくれればいいのだが。
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