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マルギットは再び話し始めた。
「マデュラの始祖は今のエフェラル帝国に仕えていました。
勇猛果敢な騎士達とその背後を守護する魔導士を多く抱え、エフェラル帝国に忠誠を誓った侯爵の称号が与えられていたそうです。
エフェラル帝国の守護星は六芒星。
帝国への忠誠の証として守護星の指輪が贈られました」
「金緑石は太陽の光の下では鮮やかな翆玉色、夜の闇の下では深い紅玉色に変わります。
エフェラル帝国の守護石は翆玉です。
そして、マデュラの印は赤。これだけのことでもどれほどの忠誠を誓い、帝国に貢献していたのかが解ります」
マルギットはここまで話すとふっと下を向き、ため息を漏らした。
ハイノが気づかいマルギットの右手を取ると指にそっと口づけをした。
ポタリッポタリッ・・・・・
ポタリッポタリッ・・・・・
マルギットの目から大粒の涙がポタポタと溢れ出る。
ハイノはマルギットの頭に左手を添えると左肩に引き寄せた。
「・・・・うぅ・・・・うぅううう・・・・
ハイノ・・・・」
マルギットはハイノの胸でしばらく涙を流し続けた。
アルノ―とフレデリカは今までマルギットが見せた事がない姿を黙って見守っていた。
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