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果てしなく続く緑の葉っぱ。
同じ北海道の田舎町でも、ラベンダー畑にドラマの舞台、それにつけ…
「こちとりゃ、じゃがいも畑だもんなぁ~!」
「ほら、凛子!ま~たくだらない事言ってないで手伝って!みんな仕事から上がって来ちゃうから!」
「はいはい」
学校から帰ってからの毎日お決まりの手伝えコールだった。
代々続くじゃかいも農家、広大過ぎる畑は寮を用意し従業員を抱えないとやって行けない。
その従業員の3食の用意がお母さんの仕事で、だから1日中台所にいる。
手伝わなきゃならないのはわかっているけど、私だってテレビで見る女子高生みたいに、お星さまの中に女神がいる絵の付いたカフェに行ったりしてみたい。
「で?今日は何作るの?」
「隣町の早坂さんちで乳絞りして来たから、じゃかいものクリームスープと……」
「またじゃかいもだよ」
「あぁっ!凛子もあの頃は可愛かったなぁ『お母さんはじゃがいもを変身させる天才だね』とかいっちゃってさ」
「それは今も認める!お母さんは凄い!それに何にでも変身出来るじゃがいもも凄い!でもこのままじゃ私、芋姉ちゃんになっちゃう」
「何言ってんの、綺麗になりたいならじゃがいも!ビタミンはリンゴの8倍、カロリーはお米の半分、その上腹持ちもいいからダイエットにもお肌にもいいんらだから」
「えっ!そうなの?」
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