消えたM(エム)

1/12
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「さー、今日は週末前夜よ。飲みに行きましょう!」  こういう感じで、N物産・営業部の社員たちを連れ、居酒屋に向かう森田サヤカは、今年三十五歳のOLだ。  そんな彼女に付いて来た三人の顔ぶれは、全員サヤカよりも年下の後輩ばかりだった。  その後サヤカは、なんとか終電に間に合ってコーポZに帰宅する。  次の彼女の定番は、入浴だった。  適温の湯で、ぐでんぐでんの体から酒臭(さけく)さを追い出すのだ。  後は、まったり感を満喫しながら、湯船の中で人魚気分を味わう‥‥。  ――すると、突然―― 「あっ、停電だわ。もー‥‥」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!