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世界は平坦だ。
地平線は夜を通して明日に繋がって、一日が終わり朝を迎える。
けれど、立っている場所が違う人間には同じような輝く朝はやってこない。
干からびた大地はひび割れていて、周りにはどこまでも続く砂漠が広がっている。そんな荒れ果てた広大な地の果てに、今まさに立っていて。
そんな俺にとって、純真に遊ぶ彼らはオアシスそのものだった。
ふと視線を上げると子供たちはどこかへ消えてしまっていた。はしゃぐ声も鳴りを潜め、辺りにはしばし静寂が訪れる。
風は止み、日は陰る。
一斉に雑音が削ぎ落とされた異様な空間に、時が止まったかのような、妙な錯覚を覚えた。
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