もっと充電したい(第一話『わんこ、帰宅』2)

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もっと充電したい(第一話『わんこ、帰宅』2)

朝倉はいつも俺たちが寝ているところに視線をやる。そこに布団はない。 「あからさまだろ! 布団をぽんぽん叩いて、『おかえりなさい! お待ちしていました!』なんて言ってるようなものじゃないか」 「ああー、やってほしかったなあ」 「無理、無理」 「じゃあ。今日はここで」 朝倉は俺を抱き上げる。俺の重さがちゃんとわかっているので、軽々とした動作だ。俺もいつものように、朝倉の首に腕をまわす。 朝倉は俺をソファの上に降ろした。俺に覆いかぶさって、Tシャツをめくった。 「朝倉、朝倉」 俺は、朝倉の髪を引っ張った。 「何?」 朝倉の手の動きは止まらない。俺の肌をずっと撫でている。 「バックじゃないよな?」 先月のことだった。『布団以外の場所でエッチしたい』とふたりで話して、ソファで抱き合った。座面に上半身を乗せて、初めて後背位で抱かれた。 最初は犯されているって感じでゾクゾクしたけど、どこまでも朝倉のが俺のなかに入ってくるような気分になって俺は軽いパニックに陥った。 結局その日は途中でやめた。朝倉は俺を布団に運んで、眠りにつくまで背中を優しく叩いてくれた。 「もちろん。あー、背中、痛いかもな」 「それくらい我慢できる」 朝倉の頭を引き寄せた。 「ん……」 軽く数回キスをする。角度を変えて、何度も唇を重ねる。互いの唇が濡れてきたら、俺が口を開ける。ゆっくり朝倉の舌が入ってくる。と、同時に、朝倉が俺の腰を撫でる。 「ん、ん」 すべて、いつも通りだ。同じことをされているのに、俺はいつでも昂ってしまう。 朝倉のキスに応えるうちに、胸が苦しくなるくらい気持ちよくなってくる。俺が体を震わせても、朝倉の動きは止まらない。朝倉が俺の左手を握ってきた。俺は握り返した。朝倉の握力は強い。俺の手をしっかり握っている。 俺は右腕を朝倉の背中にまわす。快感に耐えられなくなって、朝倉の服をつかんだ。 「はあ。あ……」 息が乱れる俺のおでこに、朝倉は自分の額を当てた。 「ちょっとは充電できたな」 「うん、だけど」 「足りないな」 「うん」 朝倉は素早く俺のズボンを脱がす。 「橋本。俺さ」 「うん」 「すげえ、したかったんだ。おまえと」 「わかってる」 「今日は止まんないかもしれない」 「大丈夫。いっぱいしよう」 俺のものは半勃ちになっていた。 「俺、なんでキスされると勃っちゃうんだろう」 「体が覚えてるんじゃないか。俺に抱かれたこと」 「やっぱ、そうか。キスの夢で夢精するもんなあ」 「え」 朝倉は俺の顔をじっと見ている。 「そんなに欲求不満なのか?」
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