パンツあげたい(第一話『わんこ、帰宅』3)

1/1
前へ
/22ページ
次へ

パンツあげたい(第一話『わんこ、帰宅』3)

「いや、そうじゃなくて。抱かれた日の夜はいつも見ちゃうんだよ。で、起きたら、出てる」 「あ。だから、いつもした日は先に起きてるのか」 「うん、半泣きでパンツ洗ってる」 「ははは」 ぎゅっと抱きしめられた。 「橋本、かわいい」 「え、パンツ洗ってる俺、かわいい?」 「ああ、かわいい。新しいパンツあげたくなった」 「もらっても、また汚すんだろうな」 「だろうな」 朝倉は俺の下着をゆっくり脱がせた。下着が引っかかっただけで感じてしまい、俺のは更に硬くなる。 「今夜は裸で寝よっか」 「まだ寒いんじゃない?」 「寒かったら、お互いの股間に手を当てて寝ればいいんじゃね?」 「うわあ、変態カップルだよ、それ」 「夢のなかで扱いたりしてな」 「あり得る」 朝倉が与えてくれるゆるやかな刺激。それだけで、硬度は増していく。 「あ……んー」 「俺のも触って」 「ん、うん」 朝倉のズボンのファスナーを下ろす。 「おまえも勃ってんじゃん」 「そりゃあ、好きな奴の弄っていたらムラムラするだろ」 「わかる。あ。や、待って……あ、や、やだ」 朝倉のに手を伸ばそうとした。 しかし、それを待たずに朝倉は俺のを強く擦ってきた。 「あ、さ、くら。なんで、あ、ん……」 「ごめん。やっぱ俺のは全部、おまえんなかに出したい」 「あ、わかった……あ、ああ」 「橋本のいく顔、早く見たい」 「う、うん」 俺を抱こうとすると、朝倉は余裕がなくなる。 朝倉。おまえのほうがかわいいよ。 「ん、あ……ん!」 俺は朝倉の手のなかに出した。 「はあ、ああ……ああ」 最後の一滴まで(しぼ)り取るように、朝倉はずっと俺のを扱いている。俺の腰が幾度も跳ねる。 朝倉は、俺の(すぼ)まりに指を這わせた。入り口の周辺をなぞる。 「あ! や、ちょっと」 朝倉の指が二本、俺のなかに入ってきた。さっき出した滑りがあるとはいえ、早すぎる。 「言っただろ。止まんないって」 「そうだった……ん」 すぐに朝倉は指を抜いた。完全に勃ちあがっている自分のものを、俺の窄まりにあてがう。まだだめなのに、と思ったけど、俺は何も言わず深く息を吸った。 「あ、ああ!」 なんのためらいもなく、朝倉は俺のなかに侵入してくる。思わず出た自分の声が妙に甲高くて、恥ずかしくなった。 朝倉は俺の腰を押さえつけて、なかを擦っていく。 「あ、あ、んん」 俺は短い声をあげた。 こんなに激しい快感は、自分では作れない。だからこそ朝倉に抱かれると、知らない自分を知っていく。もう、朝倉に抱かれる前の俺には戻れない。 朝倉の先走りが出てきた。俺のなかが濡れていく。淫らな音がワンルームに響く。この抜き差しする音を聞くたびに、俺は好きな人に貫かれているんだなって実感する。 「橋本、ん……」 朝倉が動きを止めて、キスしてきた。頭がぼーっとしている俺は口を開けることしかできなかった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加