20人が本棚に入れています
本棚に追加
私の罪
ここは体育館、片面はバレー、もう片方は私達バスケ部が使っている。
時刻は18:00を回っていた。
雨が降っていた。
土砂降りだったある真っ暗な夕方のこと。
大会の1週間前の出来事のことだった。
キュッキュッキュッ
ダンダンダン
スポッ
「のの!そこはカバー入れたよ!」
「すみません!」
キュッキュッキュッ
「のの!マークマンそっちだよ!」
「............!」
ピピー!
(あーあ、練習とはいえ私は足を引っ張ってばっかりだな。私のせいでミスしてばっかりじゃん)
防御も攻めも私のせいで実質5対4(人)で戦っているようなものだし、むしろ足を引っ張っているから私の存在は邪魔なだけだ。
もういないほうがいいかもしれない。
「のの、ののはまずディフェンスからね。さっき教えてもらったことを意識してやること!大丈夫、ちゃんとできてきてるから、その調子で頑張ろう!」
部長さんに笑顔で言われた。
優しくて気を遣ってくれているような真っ直ぐな笑顔。
全然疲れを見せない。
全然私のことを責めていない。むしろ応援してくれている感じだ。
「はい...........」
それに比べて私はなんなんだ。先輩たちに迷惑ばかりかけて、あんなに励ましてもらって。
無駄なだけだ、私の存在は。
ピピー!
「もう1セットやるよ!」
『はい!』
キュッキュッキュッ
ダンダンダン
ダンダンダン
キュッキュッキュッ
残り五分
キュッキュッキュッ
ダンダンダン
キュッキュッキュッ
キュッキュッキュッ
残り三分
ダンダンダン
ダンダンダン
キュッキュッキュッ
ダンダンダン
残り二分
「のの!」
私はパスを受け取った。
(よし!!パスもらえた!キャッチもできた!)
私の今の位置はゴールから少し離れたところ。
一番撃ちやすい。
私は回り込んでそして打っ.........とうとした。
でも打てなかった。
最初のコメントを投稿しよう!