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わかっていた。
今あやまりにっても何にもならないし何もできない。
だから引き返そうとしたのに何も一方的にそんな怒らなくてもいいじゃん!
そういう怒りを持つ半面、自分がもっと惨めになっていた。
わかっていた。
先輩がいたら百人力だってことも柊先輩だけじゃなくて他のメンバー全員に迷惑をかけてしまったことも。
だからミクちゃんは恨んでいる。
尊敬する、大切な先輩のために、先輩を傷つけてしまった、悪魔の手下のような私に。
「ご、ごめ........」
「謝って何になるの!?そんなことよりも償ってよ!!!!」
「ミク、落ち着いて!」
こうみはミクを止めに入った。
私はここでミクちゃんの言葉を遮ってこう言った。
「そ、そうだよね、私があそこで怪我さえさせてなければ.........私が代わりに怪我をしていたら........無茶をしなければ...........!変な風にしなければ.........!ばすけを、していなければ.........」
そうか、そもそも私が自己流のやり方で、変な風なやり方でバスケをしていなければ............
自分がどんどん深い闇のそこに捕らえられた、沈んでいくのがわかる。
そもそも私なんかがあの人たちの隣を歩こうなど、同じ時を過ごそうとするのが間違えだったんだ。
なんておこがましい。
「ごめんね」
そう一言ぱっと笑って言って(上手く笑えてたどうかわからないけど)私は走り去った。
去り際にミクちゃんをみたら彼女は怒ったような表情から悲しいような、後悔したような表情を見せていた......ような気がした。
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