私の罪

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ーーーそれから1週間後ーーー ついに試合日になってしまった。 あれから少し気まずくて部活には行けていない。 練習はすべて家の近くの公園でやっていた。 そのせいで柊先輩の足が今どうなってるかいまだわかっていない。 それを見たらその場でまた泣いちゃうかもと思って。 (試合前なのに何やってるんだか.........) 私に泣く資格なんてないのに。 試合に出る資格ないのに。 みんなと練習する資格なんてないのに。 試合に練習にも出ずに先輩に怪我のことを謝ってもないのに。 会場に行くまでの道のりが長い。 私は一歩一歩震える足をなんとか前へ進めた。 何度も立ち止まってはその度に後悔と恐怖が頭の中を横切る。 本当に私が行っていいのか? 試合にも出れないのにあの人たちの横にいる資格なんてあるのだろうか? そんな自問自答を繰り返しながらゆっくり足を前へ進め、とうとう会場の前まで来てしまった。 またしても足が止まった。 今度は前へ進めない。 足が道と同化したように頑なに動こうとしない。 それどころか後ろの道へと吸い込まれそうになっている。 (行かないと、進まないと........!) 全身に悪い汗が流れる。 それでも前へ進まなければ。 急に欠席するなんてかえって迷惑になるだけなのだから。せめてもう迷惑をかけないようにしなかれば。 そう考え、ようやく一歩足を踏み出せそうな気がしたとき、 「のの?」 全身に電流が走った。この声は......... 「ひ、いらぎせんぱい.........」 私は先輩の方をむかずに小さい声で呼び返した。 「なーにやってんのそんなところで情けない声出して..........早く入りなよ。もうすぐ集合時刻だよ」 そう言いながら私の方へ近づいてくる。 カッカッカッという音とともに。 (何この音.........)
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