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先輩がすぐ側で立ち止まったのがわかった。
私はゆっくり後ろを振り返った。
「あ.........」
私はその場で絶望と罪の意識で押しつぶされそうになった。
先輩は松葉杖をついていた。
足にはギブスがつけられていていつもの運動靴ではなく、スリッパを履いていた。
私は恐る恐る少し震え気味に先輩に聞いた。
「あ、あの..............足、大丈夫ですか?」
「あー........大丈夫だよ、これくらい」
いつものように笑いながら私の質問に返した。
嘘だ。絶対痛いしこけたとき、痛かっただろうに。
試合に出れなくて悔しいだろうに。
そんな私を先輩が見て、
「あー、別にのののせいとかそういうわけじゃないから。私があのときののの行動を見てなかったのも悪いし.......そんな顔しないで、のの」
いつも後輩にはすこし無口になりがちな先輩は今日はすこし慌てて説明をしてるせいかお喋りになっている。
そして、先輩の顔はどこかなく心配そうで悲しそうですこし申し訳なさそうな表情をしていた。
私の方が悪いのに、うまくできなくてすごく迷惑かけてるのに、なんであなたがそんな顔するの?優しすぎるよ。私なんかのためにそんな顔して心配も.........してくれて。
「っっっっっっごめ、ごめん、な、さいっっ」
そんな先輩の表情を見いたら、我慢していた感情がいつのまにか涙となって溢れ出してきていた。
「私があの時先輩の近くにいなかったら.....変な動きをしなければ......!バスケをやっていなければ.......柊先輩の時間を奪うことはなかったのに........ごめんなさい、ごめんなさい.......」
私はその後も永遠と謝り続けた。
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