甘い香りに誘われて

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 夕焼けの優しい光があたりを満たす。  わたしは警備軍にコッテリバッチリ怒られた。連行されずに済んだのはリト君が軍に話をしてくれたからだそうだ。  パンを買って公園入口にいる人に渡す、というバイトを引き受けただけのわたしは、現実の重さを理解していなかった。カレーパンは食べていいという食欲の誘惑に負けたとも言える。  ただ、リト君には「おねーさんさ、いくら顔がいいからって好きになる人は選びなよ?」って。やばい、そこまでバレてたなんて。  事件が解決した後、軍の偉い感じの人に指示出してたし、ホント、何者なんだろう、リト君は。  結局パンは一口も食べられなかった。  まぁ、リト君に会えたのは、よかったかな。
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